チームビルディングという言葉も時折聞かれるようになり、それを解説するホームページもたくさん見かけるようになりました。
定義はそれぞれなのですが、私たちが言うチームビルディング(最強のチームビルディング®)とは「今いるメンバーで業績をあげるチームづくり」のことです。
この記事では多様化する社員や組織の変化を理解し、チーム再現性の高い最強のチームビルディング®の3つの要素や、チームビルディングに取り組むために理解しておきたいことを解説しています。
この記事のポイント
- 正しく理解しておきたい、チームビルディングを行う本当の目的
- 組織の変化の流れ「タックマンモデル」についてわかる
- 最強のチームビルディング®が進めるチームビルディングの3つの要素
チームビルディングの目的(なぜチームビルディングが必要なのか)
なぜ今チームビルディングなのでしょうか。
現代は、働き方やジェンダー、価値観の多様化など、一言で言えば多様性の時代です。
そして、私たちを取り巻く環境はVUCA(ブーカ)の時代と言われています。
- Volatility(変動性・不安定さ)
- Uncertainty(不確実性・不確定さ)
- Complexity(複雑性)
- Ambiguity(曖昧性・不明確さ)
つまり、会社としては、多様な社員たちとともにVUCAの時代を生き抜いていくことが求められているのですが、現実にはこんなことが起きています。
- 上司/部下の言ってることが理解できない
- 声の大きな人だけで会社が回っていき、同調圧力に忖度している
- 不確実な時代に対応しようと新規ビジネスを検討するも周囲の納得を得られずつぶされる
- 結局、優秀な社員から退職する
- 業績もよくて現状維持。時代の変化についていけずに下降している
少子高齢化で新規採用が難しくなっていることを考えれば、今いるメンバーに最大限の力を発揮してもらうことが最善の策なのですが、多様な社員たちであることが「こと」を難しくしています。
高度成長期であれば、右向け右でみんなが同じ方を向きました。これは「頑張れば豊かになる」「給料があがる」という価値観があり、きつい仕事でも我慢できたのです。また重工業主体の社会で製造現場ではトップダウンの指示命令系統が有効でした。
現代はというと、がんばっても給料があがるとは限らない、大企業でも倒産する、大災害があれば明日の保証もないという時代で、その結果、価値観は人それぞれになりました。
つまり、画一的なトップダウンの指示では社員は動かなくなったのです。
さらに、昨今の働き方改革の誤解により効率化だけに焦点があたることで、必要なコミュニケーションの時間が減少する一方です。
このことが、チーム・組織づくりがうまくいかないことを助長しています。
チームビルディングの進め方『タックマンモデル』
それではどうやって多様なメンバーで業績をあげるチームを作っていくのでしょうか。具体的な説明の前に組織がどう変化していくのかを説明します。
タックマンモデルとはなにか
チームで仕事をする人々の行動を研究しているアメリカの学者ブルース・タックマン氏が考案したもので、チームがチームになるまでにたどる4 つの発展段階をコミュニケーションとメンバーの関係を説明するモデルです。
1.形成(Forming)
メンバーが集まり、関係性が築きはじめられる段階です。
しっかりとしたビジョンや目標が示されている場合もあれば一旦のビジョンや目標が示されている場合もありますが、一様に新しいことが始まることでのメンバーの期待値が高まっています。
お互いのことをよく知らないので、大抵は核心に触れないようなことを話すことから始まり、徐々にコミュニケーションをしていきます。まだチームになれていない状態です。
2.嵐(Storming)
より具体的に進めていく段階でメンバー間のさまざまな違いが明らかになり、不安が高まる段階です。
他のメンバーに対して本音や意見をいえるようになってくると、メンバー同士の「衝突」が起こり始めたり、反対に本音や意見を言うのを差し控えたりが起こります。
この時期、メンバーは不安な気持ちになっていきます。また、チームで協働することに対して抵抗する者も出現してくる時期でもあります。チームとしての体裁はあるが、機能していない状態です。
3.秩序(Norming)
チームの規範やルールが確立される段階です。
意見が衝突した場合の対処の仕方や本音を引き出す方法など、コミュニケーションにおける約束事、物事を生産的に進めるやり方や役割分担などが確立され、不安だったメンバーの心に希望の兆しが見え始めます。
4.成果(Transforming)
チームが成果に向けて機能している段階です。
ここではメンバーたちは希望に満ち、お互いを助けうことで団結力と一体感が醸成され、各自がリーダーシップを発揮します。メンバー同士での協力関係も確立されゴールへ向かって進んでいきます。
ここでのポイントは、チームが形成されてから一足飛びに成果がでるわけではなく、成果を出すためには嵐を乗り越えなければいけないという点です。
「嵐の段階で衝突が起きると本音や意見を言うのを差し控えたりが起こります」と先ほど説明しました。
これを乗り越えていかないと成果は出ないのですが、特に日本の場合、出る杭は打たれる、村八分など、周囲と同じであることが良しとされる風土であるために衝突を避け、事なかれで済ませてしまう傾向が強いです。
それで全員が納得していればよいのですが、ここで多様性がネックになってきます。
つまり、見かけ上、反対意見は出さないものの不満や不安を抱えたまま仕事をするという状況になってしまうのです。こうなると、一人ひとりのパフォーマンスを最大限発揮してもらうことは非常に難しくなります。
最強のチームビルディング®の再現性を支える3つの要素
最強のチームビルディング®では「人材力」「組織力」「関係力」の3つのポイントを意識しながら進めていきます。
人材力とは、人と人は違う ということを、自分も周囲も理解し、それぞれの強み弱みを活かすことを大事にするということ。
組織力とは、そんな多様なメンバーが集まって成果を出すために、共通の目的目標やルールなどを決めるということ。
関係力とは、多様なメンバーの強みを活かすコミュニケーションを理解し実践するということ。
これらについて組織のタックマンモデルの段階にマッチしたゲームやワーク、トレーニングを実施することでチームづくりを効果的に行います。
人材力→組織力→関係力→人材力→・・・と回していくことがポイントです。
チームビルディングの留意点
一般的なチームビルディングの手法としてゲームやワークを行うことは有効ではあります。
しかし、1回のゲームやワーク、合宿等を行っても意味がありません。例えばこんな経験はないでしょうか。
- 懇親会をやって盛り上がり、チームの雰囲気が良くなったような気がしたが、1週間もたつとこれまで通りに
- 運動会をやってみて、確かに盛り上がったが、翌日の仕事ではこれまで通り
- 素晴らしい研修に参加して自分のマインドも高まったが、職場に戻ったら冷めた
こうなってしまうのはホメオスタシス(恒常性)という人間の性質があるためです。
学んだことが定着し、意識しなくてもできるようになるためには下図のように5つの壁を1つ1つ超えていかなければなりません。
そういった理由から、ゲームやワークを1回やっただけでは学んだことは定着しないのです。
さらに、気づきの壁を超えるためにはゲームやワークをした後の振り返りがポイントです。同じゲームをやっても振り返り次第では効果は各段に違います。最強のチームビルディング®では振り返りを重要視し、工夫をこらしています。
不都合な真実
一方で組織の変革は誰かが自発的に始めたり、維持したりするようなものではありません。
放っておくとおざなりになり、いつの間にか元通りになってしまうものです。
そして、組織の変革は連続していくものです。
従って、会社の中で実行メンバーを任命したり、第3者を活用するなどして、継続することも大事なポイントです。
まとめ
最強のチームビルディング®は単発で懇親的な取組みではなく、あくまでも業績をあげることが主眼です。
そして、この外部環境の変化の大きい時代に継続的に業績を上げ続けるためには、その変化に適応できる組織づくりが必要です。
最強のチームビルディング®では、成果を上げるために必要な組織変革のプロセスを体感しながら、業績を上げ続ける組織としての基盤を構築することが可能です。
この記事のまとめ
- チームビルディングの本質は 「今いるメンバーで業績をあげるチームづくり」
- 組織が変わっていくには、4つの段階「タックマンモデル」がある
- 取り組む際にはホメオタシス(恒常性)のステップを理解し、継続的に取り組む